どうも、木村(@kimu3_slime)です。
ニコニコ動画で一番最初に流行った動画と言っても過言ではない曲、「魔理沙は大変な盗んでいきました」。
その音楽と映像をアレンジした「魔理沙は大変な盗んでいきました」シリーズも流行り、10万再生以上の動画が100作品以上作られています。
あまりに派生作品が広がりすぎていて、知名度があるわりに元ネタを知らない人も多いのではないでしょうか? この記事では、元ネタ、流行った理由を解説したいと思います。
「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」とは?
画像引用:「東方乙女囃子」特設ページ – InternetArchive
「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」は、同人音楽サークルイオシス(IOSYS)が2006年にリリースしたCD「東方乙女囃子(とうほうおとめばやし)」に収録されている曲です。
同人音楽サークルとは、普通のCDショップ(既存の商業ルート)を通さずに、コミックマーケットや同人ショップを通じて販売しているグループのことですね。
例えば、「東方乙女囃子」はメロンブックスなどの同人ショップで買うことができます。公式ホームページでも、作品の購入方法が説明されています。わざわざ解説ページがあるくらいですから、同人文化に馴染みがない人には買いづらいのかもしれませんね。
イオシスとは?
そもそもイオシスは、1998年から活動する(比較的)古参の音楽サークルです。ファミコンなどゲームソングのアレンジ、「逝ってョCDテラワロス」などのにちゃんねるネタや、電波ソングを得意としていました。
そのサークルが、当時のネットで流行りつつあった東方Projectというゲームのアレンジを手がけた結果が「東方乙女囃子」なのです。
「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」のBGMは、東方Projectの楽曲「人形裁判 ~ 人の形弄びし少女」です。つまり、東方Projectの二次創作と言えますね。
イオシスは、「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」がネットでめちゃくちゃ流行った結果、東方系の作品をメインで手がけるようになりました。
患部で止まってすぐ溶ける ~ 狂気の優曇華院、ウサテイ、お嫁にしなさいっ!、チルノのパーフェクトさんすう教室などもニコニコで大ヒットした曲だと思います。
これらのイオシス作品が流行るたびに、原点である「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」を知る人も増えていったと思います。
「盗んでいきました」と東方Projectの関係
最後に、「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」と東方Projectの関係にも触れておきましょう。
東方Projectは、同人サークル「上海アリス幻樂団」のシューティングゲームの総称ですね。「東方〇〇」というタイトルの作品が多く、BGMのアレンジなどの二次創作に寛容だったため、ブームになりました。
参考:ダンシング☆おにぎりと東方アレンジ 僕と東方Projectとの出会いその1
画像引用:魔理沙は大変なものを盗んでいきました
「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」のタイトルに含まれるキャラクター魔理沙(まりさ)は、金髪で黒い帽子をかぶった魔法使いです。
藤咲かりん(miko)さんがボーカルをつとめるメインのキャラクターが、人形遣いのアリスです。
魔理沙とアリスは東方原作でも接点が多いです。犬猿の仲といった感じでしょうか。
しかし、「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」でラブソングを歌うほどに恋愛対象になっているのは二次創作での設定です。
「マリアリが俺のジャスティス」というフレーズがあるくらい、魔理沙とアリスのカップリングは流行っていましたね。
「盗んでいきました」シリーズはなぜ流行ったか
「盗んでいきました」動画は、なぜシリーズ化するほど流行ったのでしょうか?
まず、旬のネタである東方ネタを使っていたから、という理由はあるでしょう。そもそも知っている人が多いネタでないと人気は出ません。
また、簡素なフラッシュアニメを使ったからというのも理由としてあげられるでしょう。
そもそも2007年以前は動画共有サイト自体が少なく、したがってクオリティの高い動画も少なかった。そんな中で、イオシスはクオリティの高いフラッシュアニメを作りました。
同時期に流行った「ドナルドのうわさ」や「キーボードクラッシャー」は、元ネタがリアルな映像です。素人が映像を作ってMADにするのは難しいですが、アニメーションならばフラッシュ職人などがいて、作れる人も多い。だからシリーズ化しやすかったのでしょうね。
画像引用:魔理沙は大変なものを盗んでいきました
そして、流行った最大の理由は、「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」が電波ソングだからだと思います。
電波ソングとは、萌え要素があって、耳に残るフレーズが使われる曲のことです。つまり、電波ソング=萌えソング+狂気のフレーズですね。(参考:電波ソング – ニコニコ大百科)
フラッシュ時代に流行った「巫女みこナース」を聞けば、電波ソングがいかなるものかわかるでしょう。
同じく電波ソングの「きしめん(nursery rhyme)」もニコ動で流行りましたね。
東方Project関連であり、アニメーションがあるというだけでは、流行るための条件として十分でないのです。
例えば、同じく「東方乙女囃子」に収録されている曲「惑いて来たれ、遊惰な神隠し~Border of Death」は、それほど流行っていませんよね(十分知名度ある方ですが)。
その点、電波ソングはリズムに中毒性があり、歌詞は意味不明なのに、一度聞いたらやみつきになってしまいます。
「鈍痛鈍痛鈍痛鈍痛鈍痛鈍痛鈍痛」などの弾幕が生まれやすいのも、電波ソングとニコニコ動画の相性の良さを示していると思います。
イオシスの「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」は、ニコニコ動画における電波ソングやMADの原点となったと思います。まさにカオスwwww
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。