どうも、木村(@kimu3_slime)です。
先日、「インターネットが生み出す文化」を研究して、本が書きたいという話をしたので、ネット文化に関する論文を調べてみました。
要約を読んだ程度ですが、面白そうな論文14本をまとめておきます。
Who creates Trends in Online Social Media: The Crowd or Opinion Leaders?
まさにこういうのを読みたかった、という内容。英語なので読むには時間がかかりそうですが。
「ソーシャルメディアのトレンドは誰が作るか、大衆かオピニオンリーダーか?」という内容。ウェイボーを例に、大衆(の注目)の方がよりトレンドを作り出すことを明らかにしています。
Twitterにおけるデマ、デマを訂正するRTの特徴を調べる。デマ入門といった内容で読みやすい。
東日本大震災後の Twitter 利用傾向 : 震災関連ハッシュタグの計量的分析
ハッシュタグの共起するネットワークを視覚化。Twitterの利用目的が推測できる。
流言(根拠のない噂)をコンピュータに判別させる研究。ユーザーの反応をもとに信頼性を判断。
ニコニコ動画
動画共有サイトにおける大規模な協調的創造活動の創発のネットワーク分析 ニコニコ動画における初音ミク動画コミュニティを対象として
これもすごく面白そう。文献紹介も詳しく勉強になる。
初音ミク動画の関係性を研究。被リンク数を計測し、クラスタをグラフ化。
CGMの現在と未来: 初音ミク,ニコニコ動画,ピアプロの切り拓いた世界:5.ニコニコ動画はいかなる点で特異なのか: 「擬似同期」「N次創作」「Fluxonomy(フラクソノミー)」
論文というよりは読み物。Youtubeと比較しながらニコ動を語る。
2次創作(N次創作)をもうちょっと詳しく扱ってる文章はないものか。
ニコニコ動画の創造性 : 動画コミュニティサービス「ニコニコ動画」の5年間
ニコニコ動画のベースを開発した戀塚昭彦さんの文章。論文というより読み物。
2012年時点でのニコニコ動画の開発から見た歴史がわかる。
30:13
【生放送】CGMの現在と未来: 初音ミク、ニコニコ動画、ピアプロの切り拓いた世界(1/4)
二次創作オンラインワークショップ特別講座情報処理学会 創立50周年記念全国大会 イベント企画「CGM...
これも論文ではないが、戀塚さんや濱野さんの話が聞ける。
にちゃんねる
便所の落書きとも呼べる意味のない内容ばかり書かれる2ちゃんねるが、なぜ盛り上がるか。定型表現をキーに探る。
インターネットコミュニティのコンテンツ発信の変容について試論 : 「2ちゃんねる」および「2ちゃんねるまとめサイト」の現状から
にちゃんねるの勢いが落ちるまでの歴史。もう少し根拠・具体例が欲しい感。
2ちゃんねるの コミュニケーションに関する考察 ──インターネットと世論形成に関する議論への批判──
にちゃんねるのコミュニケーションを、社会学的な観点から分析。言葉づかいが難しそう。
スラング
若者が着目するインターネット上の表現 : ネットスラングと方言
LINEやTwitterにおけるスラングの研究。「w」の先行研究などが紹介されている
。
「w」と「さ」のみか。事例が少なく言葉が古い。
“メンタルヘルス・スラング” を定義する―都内女子大生を対象とした横断研究より―
アスペ、コミュ障、メンヘラなど、適切な言葉ではないかもしれないが実際に使われるスラングを分析。一般の人が精神疾患に関する認識を広めていく事例。
ネット社会と集団語
mixiと2ちゃんねるを例に、集団語とは何か考える。研究というよりは問題提起。
大学のサークルにおけるスラングの浸透とそれにかかわる待遇性 : 別れの場面で使われる「おつかれさま」を例に
ネットではないが、スラングの浸透が説明されている。
特に自分が気になるもの3つを選ぶとすれば、以下の通りです。
「Who creates Trends in Online Social Media: The Crowd or Opinion Leaders?」これはTwitterやニコ動に置き換えてやってみたい。しかし方法を身につけるまでが大変そう。
「動画共有サイトにおける大規模な協調的創造活動の創発のネットワーク分析 ニコニコ動画における初音ミク動画コミュニティを対象として」これは淫夢やほのぼの神社に置き換えてやってみたい。上の論文よりは自分で手をつけやすそう。
「 若者が着目するインターネット上の表現 : ネットスラングと方言」このブログで紹介してきたスラングに置き換えれば同タイプの論はいくつもできそう。しかし面白さ・重要性が微妙。
次はこの3つのいずれかを読んでみて、試せる研究は試してみようと思います。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。